「ロビンソン 〜宇宙の風に乗る〜」
pix_pom独断BGM、今回はSPITZ「ロビンソン」を選んでみました。
ぜひ、この曲をかけながら、お楽しみください。
(ベスト版も発売されましたね、なかなかGOODですよ)
「心が壊れてしまったんでしょうね」
「あれからパパは、誰とも口を利かなくなっちゃったの」
「彼が戻るのを、待っているのね」
京介は、本当に、壊れてしまったのだろうか。
人は複数の人を、同時に愛せるか。
YESと言い切れる人がいるだろうか、NOと言い切れる人がいるだろうか。
例えば、京介は、祥子を愛している。
では、誘拐された圭子を抱きしめる京介の想いを、偽物だと言うことができるのか。
京介は、壊れてなどいない、これは、断言しよう。
ただ彼は、待っているのだろう、本物の人が戻るのを。
「先生」誰とも口を利こうとしない京介が、この声に反応した。
確かに、姿は祥子によく似ているかもしれない、
だが、その声は、果たして似ているのだろうか、
まして祥子は「先生」と京介を呼ぶだろうか。
それでも京介は、確かに反応した。
「おかえり、祥子」
京介がみゆきに投げかけた言葉、困惑の表情を浮かべる圭子とみゆき。
そして、その真意に、先に気付いたのは、みゆきだった。
京介が与えた選択肢、そして京介の全てを、みゆきは選んだ。
「女の人に愛されたかったら"ごめんね"と"ありがとう"だよ」
だけどそれは、口に出す必要は無い、常にその気持ちに溢れていればいいんだ。
例えば愛は、安らかに眠ることなのかもしれない。
そしてきっと、「ただ1つの愛」というものは、
愛おしさの最上級であるその他の愛とは、少しだけ、位相が異なるのだろう。
なにか不可解な結末、ドラマ的にはね。
視聴者の困惑は、例えば、圭子のそれと同値だったろう。
圭子も確かに、京介に愛され、だが、安らかに抱き合う2人のその表情に、
決して超えられない、決定的な差を感じ取る。
「なによ、2人で盛り上がっちゃってさ」
とても嬉しくて、ちょっと悔しくて、でもきっと、それが当たり前で。
その愛は、やがて全てを、元に戻してゆくだろう。
彼の帰りを待つ全てへ、酸素をとどけるだろう。
それはまるで、風に吹かれたハーブのように、やさしい香りを乗せて・・・。