
ドラマ「美しい人」を盛り上げる、もう1つのキーアイテム、ハーブ
このコーナーでは、それらにまつわる、逸話、効能、楽しみ方をご紹介します。

第1章・ミント
【英名】Mints
【和名】メグサ、ハッカ
【学名】Mentha species
【分類】多年草、シソ科
【京介先生の、ミントにまつわる物語】
冥界の支配者プルートに愛された、海の妖精ミンタ。
プルートの妻の嫉妬で、草に変えられてしまったんです。
ミンタはそれでもなお、透き通るような愛の香りを残した。
【ミントの楽しみ方】
第1章では、ハーブティーとして登場しました。
ハーブティーは簡単ですね、京介もやってるように、
ポットに適量をいれて、熱湯を注ぐだけです(必ず熱湯で)。
達人になると、数種をブレンドして、オリジナルティーを作ったりもするそうですが、
慣れないと臭い(!)だけですし、いくつもハーブを入手するのは困難でしょうから、
まずは、自分の気に入ったハーブ1、2種で試してみましょう。コツは、
・ 葉を触っても、良い香りのするハーブを選ぶ。
・ レモン系は失敗が少ない。
・ ミルクや砂糖で飲みやすくするのもいいよ。
だそうです、是非、お試しあれ。
そういえば、京介も蜜を入れて楽しんでいましたね。

第2章・ローズマリー
【英名】Rosemary
【和名】マンネンロウ、マンルソウ
【学名】Rosmarinus officinalis L.
【分類】常緑の低木、シソ科
【京介先生の、ローズマリーにまつわる物語】
俗名はロスマリン(Rosmaris)。「海のしずく」という意味がある。
船が迷ったとき、この香りを感じて自分の居場所を知った、そういう由来がある。
【ローズマリーの楽しみ方】
第2章では、足浴として登場しました。
熱湯にローズマリーの葉を、ミルクを入れて適温になったら、最後に刻んだきゅうり。
京介によれば、足のむくみや、靴ずれにも効果があるそうです。
足浴は、ハーブ自身の薬効も然ることながら、暖めることの温浴効果、
芳香によるリラクゼーションや、この場合は、ミルクの保湿効果も期待できます。
足浴だけではなく、量があれば、入浴にも使えますし、
ローズマリー以外のハーブや、数種のハーブを混ぜることも、もちろん可能です。
ただし、敏感肌の方は、あらかじめテストを行なったほうがよいでしょう。

第3章・レモンバーム
【英名】Lemon belm・Bee herb
【和名】コウスイハッカ
【学名】Melissa officinalis L.
【分類】多年草、シソ科
【京介先生の、レモンバームにまつわる物語】
中世のウェールズ地方の王子がよく飲んでいたと言われる・・・ルレウェリン王子といったかな。
毎朝飲んでいたから、百八歳まで生きたらしい。あくまで、いわれだけどね。
【レモンバームの楽しみ方】
第1章のハーブティーに対して、第3章ではハーブウォーター。
作り方は・・・ハーブティーを氷の中に注ぐだけです。
ただしこれもハーブによって、冷ますことに向き不向きがあります。
ハーブティーでおいしかったものが、冷ましてもおいしいかといえば、
必ずしもそうではありませんが、その逆もあり得るのが、なんとも面白いところです。
氷で薄まりますし、冷ますと香りも抑えられますので、少し濃い目に入れるのがコツです。

第4章・ボリジ
【英名】Borage
【和名】ルリジシャ、ボラゴソウ
【学名】Borago officinalis L.
【分類】1年草または2年草、ムラサキ科
【京介先生の、ボリジにまつわる物語】
このボリジは昔、恋に悩んだ若い女性が占いに使ったらしい。
1メートル真上から落としてね、この花がどう動くかで占う。
落ちた場所でそのままとどまっていればハッピーエンド。
揺れて隅のほうに流されれば、不安定な状態を示す。
【ボリジの楽しみ方】
第4章では、恋占いの道具として使用されました。
ところで、サンルームに入った純が、真っ先に興味を示したように、
ボリジは、小さな星型の可憐な花を、いくつも開きます。
開き始めはピンク色で、徐々に変色し、最後は瑠璃色になるそうです。
そういえば京介は、ワインに入れると色が変わるとも言っています。
いったい何色が、この花の本当の色なのでしょうか。

第5章・ラヴェンダー
【英名】Lavender
【和名】ラヴェンダー
【学名】Lavandula species
【分類】木本または多年草、シソ科
【京介先生の、ラヴェンダーにまつわる物語】
特にありませんでしたね。
ラヴェンダーは、古代ローマ時代には既に、入浴などに使用されていました。
語源はラテン語のLavare、洗うという意味があります。
英語のLaundry(クリーニング屋)・Lavatory(手洗所)なんかも、この仲間ですね。
その用途は多種多様で、鎮静、利尿、あるいは防虫などにも用いられます。
たんすの中に、ラヴェンダーを忍ばせておくと、虫食いを防止できるそうです。
ちなみに、英語で「to lay(up)in lavender」というと、
「大切にしまっておく」という意味があるそうです。
【ラヴェンダーの楽しみ方】
第5章では、亡くなった祥子の好きだった花として登場しました。
ラヴェンダーは非常に香りが強く、またリラクゼーション効果のある花としても有名です。
ここでは、ラヴェンダーウォーターの抽出法を紹介します。
フタ付きの大きな鍋を用意し、その中央に深めの容器を置きます。
後で鍋に水を入れますので、浮かないように、重ための容器を使うか、中に重りを入れておきます。
その容器の周囲に、たっぷりとラヴェンダーを敷き、浸るくらいまで水を入れます。
水量は、水が沸騰しても容器内に入らない程度に加減してください。
<ここがポイント!>鍋を火にかけ、フタを逆さまに閉めます。
こうすることで、沸騰した蒸気は、フタの曲面に沿って中央に集まり、容器内に落ちます。
フタの上に氷を置くと、効率よく抽出できます。
火は、沸騰寸前の状態を保つように、弱めに加減してください。
水量が半分くらいになったら火を止め、完成です。(やり過ぎると、せっかくの香りが飛んでしまいますので)
容器内にたっぷりのラヴェンダーウォーターが抽出されているはずです。

第6章・セージ
【英名】Sage・Common sage・Garden sage
【和名】ヤクヨウサルビア
【学名】Salvia officinalis L.
【分類】多年草、シソ科、木化する
【京介先生の、セージにまつわる物語】
オークの木に住む妖精のセージは、人間に恋をする。
相手は国王だった。国王もセージを愛した。
しかし、灼熱の恋は命と引き換えにしなければならないのが森の妖精の宿命だった。
【セージの楽しみ方】
第6章、山梨のペンションで、2人に自家製のソーセージが振舞われました。
オーナーである誠治の、自慢の逸品です。
ところで、このソーセージ作りに、セージの葉は欠かせないものですが、
よく考えてみれば、Saw−sageという言葉の中にも、セージが出てくるのです。
SAWの語源は、ラテン語で「塩漬けにされた」あるいは「塩辛い」で、
英語の「Salt(塩)」「Sause(ソース)」フランス語の「Saute(炒める)」など、
料理にまつわるいくつかの単語は、ここから来ていると言われています。
「塩漬けにされたセージ」
ソーセージにおいて、セージの葉は、肉よりも大事なのかもしれません。

第7章・フォクスグローブ
【英名】Common foxglove
【和名】キツネノテブクロ
【学名】Digitalis purpurea
【分類】多年草、ゴマノハグサ科
【京介先生の、フォクスグローブにまつわる物語】
アイルランドの伝説です。
陰湿で悪意に満ちたイタズラが過ぎるその妖精は、周囲から嫌われ、友達もなくいつも一人ぼっちで。
するとますますいじけ、ほかの妖精を傷つけるように。
それを見かねた一人の神が、二度とイタズラができないように、
遠く離れた山奥に連れて行き、その花に変えてしまった。
美しい花なのは、せめてもの神の恩情・・・。
【フォクスグローブの楽しみ方】
ハーブには、様々な楽しみ方がありますが、その中には、当然、危険な物もあります。
このフォクスグローブも、毒性のあるハーブの1つです。
強心作用があり、心臓病の薬として用いられることもありますが、
蓄積性が強く、多用すると、不整脈や心室細動を引き起こすことがあります。
次郎に言わせれば、「これは何というハーブですか? ずいぶん派手できれいだ」
ということなので、観賞用にとどめておくのが無難かもしれません。
ちなみに、「ちょっと嫌なにおいがしますね」だそうですが・・・。

第8章・アイブライト
【英名】Eyebright
【和名】コゴメグサ・イブキコゴメグサ
【学名】Euphrasia iinumae T.
【分類】1年草、ゴマノハグサ科
【京介先生の、アイブライトにまつわる物語】
昔、盲目だが気立ての優しい少女がいました。
貧しい家で、幼い兄弟のために働き詰めの日々で。
ある日、山で杖をついてきのこなどを集めていると、優しい香りのこの花に出会ったんです。
しかし、その花は触れるだけで全身がはれてしまう毒草でした。
それを見ていた森の神が、すんでのところで毒を取り除き、眼の病に効く薬草に変えたんです。
【アイブライトの楽しみ方】
おや?っと思った人、するどいですねえ。
このハーブ、学術名に、日本人が出てくるんです。その名を、飯沼慾斎。
彼が学術調査のためにこの花を採取したのが伊吹山だったために、
それを区別して、イブキコゴメグサと呼ぶこともあります。
ちなみに、目の病気に効くのは、
英名Drug Eyebright、学名Euphrasia officinals L.といいます。

第9章・グリーンアロー
【英名】Green yarrow
【和名】(ノコギリソウ)
【学名】(Achillea milleforium L.)
【分類】(多年草、キク科)
【京介先生の、グリーンアローにまつわる物語】
発汗を促し、解熱効果がある。
ビタミン、ミネラルが豊富で、鼻血を止める薬として有名だ。
また逆に出すともいわれる。そっちは恋占いに使われたんだ、
呪文はね、確か・・・
「グリーンアロー、グリーンアロー、白い花を咲かせる花よ。
もしも彼がわたしを愛するならば、私の鼻から真っ赤な血を流しておくれ。」
【グリーンアローの楽しみ方】
グリーンアロー(グリーンヤロー)に関しては、資料がありませんでした。
ヤローの仲間に属する植物の一種だと思われます。
したがって、上記和名、学名、分類は、その代表種(ヤロー、Yarrow)のものです。
学名にも残っていますが、別名アキレアとも呼ばれ、その語源は、
トロイア戦争の英雄、アキレスから付けられたものです。
ギリシャ神話では、彼が傷の治療にこの花を使ったと伝えられています。
比較的、花の寿命が長く、栽培も容易ということで、ぜひ、育ててみてはいかがでしょう。
ほら、鼻血が出たときにも便利ですし。

最終章・ダンディライオン
【英名】Dandelion
【和名】セイヨウタンポポ
【学名】Taraxacum officinale Weber
【分類】多年草、キク科
【京介先生の、ダンディライオンにまつわる物語】
この西洋タンポポは、ダンディライオンというんだ。
インディアンの民話の中では、太陽に似せて作られたものとされている。
南風のシャワンダゼーは、ある日、野原の中で黄色い髪の少女と出会い、一目で恋をしてしまう。
しかしある朝、いつものように彼女に会いに行くと、そこには別人のような彼女の姿があった。
北風が、無残にも彼女を老婆のような変わり果てた姿に変えてしまったんだ。
灰色の綿帽子をかぶった哀れな少女・・・
それから、季節が変わると、彼は再び黄色い髪の少女たちを目にすることはあったが、
初めて出会った彼女はいない。
シャワンダゼーは、孤独の中で彼女を思い、ため息をつく。
【ダンディライオンの楽しみ方】
ダンディライオンの語源はフランス語で「Dent de Lion」
葉の形がライオンの歯に例えられて、そう呼ばれています。
日本の古来種はミヤマタンポポと呼ばれていますが、
現在、日本にあるタンポポのほとんどは、セイヨウタンポポです。
まあ、この花は、わざわざ育てなくても、近所で採取できるのではないでしょうか。
たくさん集めたら、そうですね、草木染めに挑戦してみてはいかがでしょうか。
まずは、白いハンカチやTシャツで、試してみましょう。
さて、タンポポは、タンポポ色に染まるのでしょうか、
それは、やってみてのお楽しみということで・・・。

番外編・ローレル
【英名】Laurel・Sweet Bay
【和名】ゲッケイジュ
【学名】Laurel L.
【分類】常緑の低木または小高木、クスノキ科
「ない・・・」パジャマ姿の純ちゃんもカワイイですが、今回のテーマは、そうじゃなくて、
その窓の外に繁っている木が気になりませんか?このコーナー的には。
(そうでもないか・・・^^;)
この木、月桂樹の木ではないでしょうか。
月桂樹の木は、ギリシャ神話に登場します。
愛の神エロスによって黄金の矢を射られ、ニンフのダフネを熱愛してしまったアポロン、
(実は、アポロンがエロスを嘲笑したために、彼の逆鱗にふれてしまったからなんですけど・・・)
一方、エロスの鉛の矢に当ってしまい、どうしても彼を愛することのできないダフネは、
アポロンに追い詰められた果てに、湖畔で月桂樹に変身し、純潔を守りました。
以後、この木はアポロンの聖木となり、例えば、彼が巨蛇ピュトンを倒したとき、
月桂樹の木で、その血を清め落としたといわれています。
また、アポロンが音楽、弓術、詩歌の神であったことから、
月桂樹はこれらに携わる人々の、誉れのしるしともなり、
中世、大学で修辞学、詩学を修了した者に桂冠が贈られたり、
また、イギリスの「桂冠詩人」という言葉にも、その伝統が生きています。
一方で月桂樹は、その浄化力や常緑性から、勝利や栄誉の象徴ともされ、
古代オリンピックの勝者に月桂冠が与えられるのも、これが所以となっています。
現在でも、マラソンなどで、月桂冠が贈られているのを見かけますね。
そもそも、この木が日本に広まったことでさえ、
日露戦争の戦勝記念樹として有名になったからなのですから。
(日本に伝えられたのは1905年、フランスからです)
そうしたところから、月桂樹には、栄誉、勝利、純潔、才智への報償、等々の花言葉が並んでいます。
そんな意味からも、学生寮、とくに女子寮にはとてもふさわしい木と言えますね。
現実的にも、常緑の大木は、寮の目隠し的な効果も発揮するでしょう。
そんな由緒正しい木なのですから、

そういうことに使ってはいけません^^。
<主な参考資料>
ハーブの花アルバム 〜300種の仲間たち〜
ハーブス編集委員会編 誠文堂新光社
芳香ハーブ 〜400種の作り方、楽しみ方〜
桐原 春子 著 誠文堂新光社