「真白と4人の娘たち」を語ろう。 投稿日:07月19日(月)09時24分16秒
さて、今日から真白スペシャルです。
一応、4日間の予定です、よろしくどうぞ。
今日の書きこみは、とても分かりづらいです、
真白の母親と、その再婚相手に名前が無いのが原因なんですが、かなりややこしいです。
どうか、ゆっくり読んで下さい。
「わかったわかった、4人とも、私の娘にしてあげる」
人には必ず、自分を産んでくれた母親がいる、その絶対的な血縁は、生涯変わることはない。
そして、人には必ず、母親が必要だ。
だがそれは、必ずしも、産みの母と同じとは限らない。
例えば、幼い頃、不幸にして母親を失ったり、
両親の離婚によって、離れざるを得ない場合だってある。
それでも、どうしても母親は必要だ、そんな時、人は自然に、母親以外に、母親を求める。
それは、父親、兄弟、先生、友達、あるいは、自分自身の場合だってある。
母親が必要だ、そのエネルギーは、時として、母親を創り出してしまうことがある。
真白は、母の離婚後、その再婚まで母子2人で暮らしてきた。
「どっちが刑務所入れられてるんだか、わかんないじゃない」
「刑務所じゃないよ、鑑別所だよ」
「そうだったね」
「帰るわよ、お母さんは、一人じゃ生きていけないもん、私がついてないと」
「ホントにそう」
「心配しないで、ねっ」
真白は、自分自身の中に、その母親を求めた。
そして彼女の母親は、真白の中に、まるで子どものように母親を求めた。
だが、この奇妙な逆転は、母子2人であるが故に、成立できたのだろう。
このバランスが、その母親の再婚によって、根底から崩れてしまった。
その関係に割り込むように、父親が成立し、
その同一線上に、真白の母は、母親であろうとした。
この3人の家庭には、父親1人、母親2人、子ども2人が存在してしまっているのだ。
しかも、お互いが、その存在を認めない。
父は、母の中の娘も、娘の中の母も、認めない。
母は、自分の中の娘、娘の中の母を消し去り、無理に母であろうとする。
娘は、父を認めず、母の中に、母を感じることが出来ない。
この奇妙な関係の中で、真白は一人ぼっちになってしまっている。
「お母さんはひとりぼっちだから、私が必要なんだって」
「だから変なヤツはやっつけてあげたの、お母さんの変わりに」
だが、本当にひとりぼっちだったのは、真白自身であった。
「母親」「娘」、1人の人間が2人の存在を抱えたまま、放り出されてしまったのだ。
娘を失った母、母を失った娘、二重の悲しみが、彼女に襲いかかる。
「あの人」のいる家は、彼女にとって安らぎの場所ではなくなってしまった。
彼女は、その場所を、友達に求めた。
時には母親のように、娘たちを優しく包み込み、
時には娘のように、その悩みを口にした。
4人が彼女に母親を感じたのは、当然のことかもしれない。
形式なんか関係ない、この時、彼女は本当に「母親」だったのだから。
<またまた引用・リップ語録>
「もう十分でしょう。恵理子にチョッカイ出さないで」
(第2話・食堂で恵理子に詰め寄ってきた彼女の昔の仲間に向かって)
真白は、ケンカが強いわけではない、争い事だって嫌いなタイプだ。
それでも、恵理子が詰め寄られたとき、安奈に紘毅が迫ってきたとき、
いつも先頭に立って、仲間を守ろうとしたのは真白だった。
やさしさ、強さ、あたたかさ、彼女は、本当にみんなの母親のようであった。
人は長い間、同じ人と生活していると、お互いに足りないものを補い始めるという、
彼女の母性は、母親らしくなかったその母を補うように、つちかわれたものなのだろうか。
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「私」を語ろう。 投稿日:07月21日(水)08時40分51秒
ごめんなさい、1日落ちました。
後日、埋め合わせます、申し訳ございません。
> 4日連載ということはネタは準備済なのかな?
だいたいはね、でも文章にまとまるかどうかは、書いてみないとわからない。
で、今回は、見事にまとまりませんでした。
書きたいことは、いっぱいあるのに、何を書いても、文章になってくれない。
そこで今回は、真白ちゃん本人に、語ってもらうことにしました。
どうかゆっくりと、彼女の言葉に耳を傾けてください。
――― 死ぬことは、いつだって怖いんです、
けど、それしか方法はないと思い詰めちゃうんです、
純粋だから、汚されてまで生きられないんです。―――
ねえ、お母さんは、どうして気付いてくれないの?
あの人は、あなたの娘を傷つけているんだよ
そのうち、お母さんだって、傷つけられちゃうんだよ
お母さんは、何もわかっていない
「死ぬなんてね、弱虫のすることなんだよ」
おかしいね、そう言ったのは、私なのにね
裁判所の人は言ったんだ
「君には、帰るべき家もあるし、待っていてくれる家族もいる」
そうだよね、私もずっと、そこに帰りたかったんだ
でも、家って何よ、家族ってどこよ
やさしかったお母さんも、真っ白なシーツもフカフカのベッドも
みんな、あの悪魔が食い殺しちゃったじゃない
「私、行くとこがない」
この街は広すぎるよ、私が眠れるところがみつからないよ
ねえ、私はどこに行けばいいの
藍、恵理子、安奈、ポッポ、誰か教えてよ
ねえ、みんなはどこにいるの?
「何いってんの、ここにいるじゃない」
「元気出せよ、真白らしくないぜ」
「そうよ、クラブに行くって約束でしょ」
「手紙出すって、約束だよ」
よかった、そうだよね、いつもそばにいるって、約束だもんね
そうだ、みんなで、あの工事現場にいこうよ
街の夜景を見下ろしながらさ、みんなでハンバーガーを食べようよ
黄色いカーテンにくるまってさ、みんなで眠ろうよ
そうしたら、ちょっとだけ、私の話も聞いてね
私、話したいことがいっぱいあるんだ
ねえ、私の眼鏡は、どうして割れてるの?
ねえ、私はどうして傷だらけなの?
私、怖いよ、死にたくないよ
ねえ、お母さんは、どうして気付いてくれないの?
名古屋のお父さんに謝っておかなきゃね
真白は、こんなに汚れてしまいましたって
「そんなことない、真白は汚れてなんかいないよ」
ありがとう、藍ならきっと、そう言ってくれると思ったよ
「真白って、いい名前だね」
うん、私もこの名前、大好きだよ
みんなごめんね、約束、守れなかった
止めないでね、そんなことされたら、飛べなくなっちゃうから
ホント、弱虫だね、情けないでしょ、足が震えてるんだよ
カーテンは借りてくね、これがないと飛べないんだ
そこで見ててね、私、飛んでみせるから
お母さんは・・・、見送りに来てくれないね・・・
当然だよね、私のこと「泥棒猫」だと思ってるんだから
でも、お母さんは悪くないよ、みんなあいつのせいなんだ
私は、お母さんを恨んだりなんかしないよ
だから、ねえ、お母さん、はやく気付いてよ
私、飛んじゃうからね
もう、助けてあげられないんだからね
ねえ、はやく、お母さん、ねえ、ねえってば・・・
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「母の誤解」を語ろう。 投稿日:07月22日(木)09時57分28秒
先日、落ちた分(7月20日)を埋め合わせます。
すいませんでした、今日は、2本立てです。
この間、真白の母親には名前が無いと書きましたが、
実は「井川由美」という名前が設定されていました。
今回は彼女の話です。
尚、相変わらず名前の無い義父については、今回も「義父」と呼びます。
したがって、これから出てくる「義父」とは、真白の義父を指すものです。
「お母さんは?」
「君の希望どおり、病院には来ない」
堕胎手術に向かう直前、真白は有明にこう訊いている。
由美は有明から、真白の妊娠を知らされていた。
だが、その妊娠の相手は、知るはずも無い、
なにしろ、この時はまだ、伝えた有明ですら、知らなかったのだから。
真白の口から、あるいは有明からでも、その事実が伝われば、
結果的には、まだ良い方へ転じる余地があったかもしれない。
だが、それは、最悪の形で伝わることになる。
由美と義父は、プラトニックにはなれなかった。
肉体に対する欲求はあれど、精神的につながりが希薄な2人にとって、
必ず訪れる問題、それが「倦怠」
「変わらないのは、目に見えるものじゃない」
「目に見えるものに惹かれたら、所詮、年老いたら愛されなくなる」
これは想像だが、そんな2人の関係の中で義父は、
決して口にしてはならない、禁断の台詞を吐いてしまったのかも知れない。
「娘の方が、良かった」
この瞬間、由美の体に電流が走る。
バラバラだったパズルのピースが、一気に組みあがり、
誤解という名の絵画が、はっきりと浮かび上がる。
だまされていた、何もかも、
裏切られた、一番信頼していた娘に。
嫉妬、嫌悪、絶望、それは彼女に、それが誤解だと考える余裕すら与えなかった。
「はやく気付いてよ」娘の願いも、母の耳に届くことはなかった。
裏切り者の言うことなんか、誰が信じられるか、泥棒猫の言うことなんか・・・。
それが誤解であるなら、彼女自身はまだ、誤解したままの方が幸せだったかもしれない。
その事実は、またも最悪の形で、彼女に伝わることになる。
現実問題として、真白の自殺には、警察の捜査が入る。
当然、司法解剖も行なわれるわけで、そこでは、暴行の事実も明らかになる。
そしてその結果が、極めて機械的に彼女に伝わることは、もはや避けられない。
「私が殺した」
また1人、その重圧を抱える人間が生まれてしまった。
しかも彼女には、その重圧を聞いてもらえる最愛のフレンズは、もういないのだ。
「子ども産んだなら、女やめて母親になれよ!」
その意味が、やっとわかった、すべては遅すぎたことも。
娘の言葉、義父の言葉、彼女の中でもう一度、パズルが組みあがる。
だが、その代償は、あまりにも大きい。
彼女がその後どうしたかは、描かれなかった。
もしかしたら、彼女も・・・。
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「友達への手紙」を語ろう。 投稿日:07月22日(木)09時59分28秒
さあ、2本目です。
このパターンに味をしめたか?今回は、藍に語ってもらうね。
あの時、どうして手を放してしまったんだろう
真白は確かに、助けてと言ってたのに
「私、行くとこがない」
最後にまた、自分の事を話してくれたのに
ごめんね、あの時は、どうすることもできなかったんだよ
ううん、本当は違うね、出来ることはいっぱいあったはずなんだ
2人で殴り合いでもすればよかったかな
素行不良で、一緒に少年院に行けばよかったかな
ごめんね、何もしてあげられなくて
ごめんね、いくら謝っても、謝りきれないよ
「そんなことない、藍は悪くないよ」
きっと真白は、そう言ってくれるね
その優しさが、私には辛いんだよ
ねえ、真白は優しすぎるよ
もっと、自分のために生きていいんだよ
でも、ありがとう、本当に、ありがとう
私、真白に会えて、本当に良かった
真白の死を知らされたとき、私、考えたよ
ずーっと、ずーっと、一晩中考えたよ
恵理子も、安奈も、そしてポッポも、みんな一晩中考えたよ
ねえ、真白はどうして死んじゃったの?
出てきた答えは、みんな同じだったんだ
葬儀のとき、真白の両親を初めて見たよ
ううん、両親じゃないよね、お母さんと「あの人」だよね
そして、4人とも確信したんだ、真白が伝えたかったことをね
恵理子が、動こうとしたのを、私は止めたんだ
だめなんだよ、恵理子も、安奈も、ポッポも
みんなもう、自由になっていいんだよ
私は、自由になる資格なんかない、それは私の役目なんだ
「藍だって同じだよ、もう自由になっていいんだよ」
ありがとう、真白はホントに優しいね
でも、心配いらないよ、アタシなら、大丈夫だから
殺すつもりなんてなかったよ、仇なんてことも考えなかった
ただアイツに、傷を刻み込んでやろうと思ってね
一生、消えないような、深いやつをね
先生が、私を止めに、走ってきてくれたよ、うれしかったな
でも、ダメだね先生も、一瞬、出遅れたね
私、足は速いんだよ、あんなんじゃ、追いつけないね
先生が出遅れたわけも知ってるよ
先生もきっと、ちょっとだけ同じ気持ちだったんだね
今日も、真白は、少年院に来てくれたね
私の話を、いっぱい聞いてくれたね
真白のことも、いっぱい話してくれたね
「もう、来なくていいよ」
帰り際、私はいつも言うよ
せっかく来てくれた友達に言うことじゃないね
「また来るね」
真白は、いつも言うよ、そして、笑ってくれるよ
ねえ、真白、もし私が、死にたいって言ったら
一緒に連れていってくれるかな
そんなこと言うなって、叱ってくれるかな
なんかもう、どっちでもいいや
真白がそうしろって言うなら、私はそうするよ
ねえ、真白、また会いに来てね、絶対だよ
私、真白に会えて、本当に良かった
だから、ねえ、約束だよ・・・
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「女優・池脇千鶴」を語ろう。 投稿日:07月23日(金)09時18分24秒
真白スペシャル、掟破りの5日目に突入。
ちょっと反響が大きかったもので。
池脇千鶴、こんな女優がいたものだ。これが率直な感想です。
彼女を見るのは、リップが初めてでした。
彼女には、本当に驚きました。
圧巻だったのは第7話、ビデオをお持ちの方は、是非、一緒に振り返ってみてください。
舞台は、堕胎手術を終えた真白が、病院で錯乱するシーンです。
それでは、再生。
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「どこ!どこにいるの!?私の赤ちゃん!」
病院では、麻酔から覚めた真白が、興奮して暴れていた。
雪乃と孝生が、必死に押さえ込む、看護婦が、精神安定剤を取りに走った。
「連れてきて!ここに!私の赤ちゃん!」
信じられない力で、孝生が弾き飛ばされた。
「何してるの!ちゃんと押さえなさい!」
「すいません!」
『私の赤ちゃんを、どこにやったの?、こいつらは、いったい誰なの?
何が落ち着けだ、寝てる間に、私の赤ちゃんを奪った悪魔のくせに』
『返せ!私の赤ちゃんを返せ!』
爆発した母の怒りは、大人2人をもってしても、押さえ込めるものではなかった。
「赤ちゃん!私の赤ちゃん!!」
「真白」
微かに残る真白の意識が、その声を識別した。
『あれ?聞き覚えのある声がするぞ』
彼女の視覚が、藍の姿をとらえた。
『藍、藍だね、よかった、来てくれたんだ、
ねえ、藍、藍は私の味方だよね』
信じられないほどおとなしくなった真白が、すがるように、怯えるように、藍を見つめる。
「アイ、ミンナがカクスの、ワタシのアカチャン」
藍は言葉が出ない。
「オネガイ、ツレテキテ」
真白は、母親に甘える子どものような笑みを浮かべる。
「無理だよ、もういないんだよ」
「オネガイ」
「もういないんだよ!」
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この時の、真っ白な彼女の笑顔を、どう表現したらいいのだろう。
「子どものような」とは書いたが、
そんな稚拙な、いや、どんな表現をもってしても、足りないような気がする。
人はドラマや映画で、よく泣いたりするが、それは「もらい泣き」のケースが多い。
笑い顔で泣かされるなんて、自分には初めての経験だった。
そして、これからも、決して多くはないだろう。
池脇千鶴・17歳、今後の活躍に期待したい。
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