リップスティック壮絶問答集 〜あんたも好きねえ(笑)〜
ここでは、放送終了後、半年が経過したドラマ「リップスティック」に残る謎を、
この時期にもう1度検証してみようという企画において、
掲示板に書き込んだ投稿を記録し、Q&A方式で公開しています。
時間を経ることで、また、別の野島ドラマ(美しい人)を挟むことによって、
その解釈にどんな変化があるのか、また、無いのか、どうぞご覧下さい。

初出典:当サイト内・ネタバレBBS(2000年1月12日より)
Special thanks to 花水すする(真柄佳奈子ちゃん応援掲示板2


Q1.少女達の入所の順番は?

藍が来たとき、すでに4人とも、部屋にいましたよね。
しかも、かなり馴染んでいたし^^
これだけでは、順番はわかりません、どうしましょ。
「ここは家裁の審判を受けるまでのひと月、その、たったひと月の仮の宿みたいなものさ」
悠さんも言ってますが、鑑別所の収容期間はおよそ1ヶ月、それには根拠があります。
少年法では、収容期間は2週間と定められています。
ただし、特に必要がある場合は、家庭裁判所の決定により、
1回に限り、更新することができるので、あわせて、最大4週間となるわけです。
ただ、この「更新」は、多くの少年に適用されるものらしく、
まあ、原則4週間と理解したほうが、早いかもしれません。
審判、調査などは、この4週間のタイムスケジュールを念頭に進行しますから、
入所順=出所順、と考えてもいいかもしれませんね。はっきりとはわかりませんが。
さて、出所順、覚えていますか?

> ポッポ、真白、恵理子、藍、安奈の順だったと記憶してます。
> たしか、ポッポと藍は示談済でしたが、
> 示談済だと、収容期間の短縮もありうるのでしょうか?

審判自体の簡略化にはつながるかもしれませんが、
おそらく、鑑別所での収容期間には、あまり影響がないものと思われます。
すなわち、これは、鑑別所の役割というものに関係があり、
「家庭裁判所における監護措置決定により送致された少年を収容し、
 家庭裁判所の調査、審判ならびに保護処分の執行に資するため、
 少年の資質の鑑別を行なう」
という意味からしても、示談と鑑別は、やはり直接的な関係はなく、
それぞれの要素として、審判の材料の1つと考えられるからです。

> 藍と安奈の入所順と、出所順が逆転してるのは、
> 他に、どんな理由が考えられますでしょうか?

えーと、ごめんなさい、大事なことを忘れていました。
最終話に関して、TV放映とビデオ版とで、描く順番が、若干、異なっているんです。
テレビ放映の流れ
・悠が、事件後の藍の様子を見に行く。
・孝生と悠の会話「俺は事情を知っていたからね、義理の父親との関係も」
・雪乃と紘毅の会話「完全な人間は、怖いと思っていた」
・紘毅と藍がすれ違う
・恵理子、藍の審判
・安奈の出所
・悠の退職

一方の、ビデオ版の流れ
・安奈の出所
・孝生と悠の会話「俺は事情を知っていたからね、義理の父親との関係も」
・悠が、事件後の藍の様子を見に行く。
・雪乃と紘毅の会話「完全な人間は、怖いと思っていた」
・紘毅と藍がすれ違う
・恵理子、藍の審判
・悠の退職

つまり、シーンの順番が、そのまま時間的流れとは言い切れない部分があるんですね。
それでは、どちらが正しいのか。(正しいってなんだろう^^?)
安奈の出所から、悠と孝生の会話に移るシーンで、
ビデオ版には、孝生が「涙をぬぐってから、宿直室に入る」という場面が描かれています。
また、悠と孝生の会話の最後で、「悠が懐中電灯をもって見回りに出る」
というシーンもあり、そのまま、藍の居室を見に行く場面につながります。
この流れから、安奈が出所したとき、藍はまだ鑑別所内に居たと推測されます。
もう、断言しちゃいましょう!
出所は「ポッポ、真白、安奈、恵理子、藍」の順番です。

> また、恵理子が入所するまで、
> 真白とポッポの時期があり、「ポッポ」の命名者は真白の可能性が出てきますか?

入所順が断言できないため、なんとも言えませんが、
もし仮に、ポッポと真白が2人で集団室にいて、
(あるいは、藍が入所する前に出所していった、別の少年が同室だったとしても)
真白がポッポと呼ぶことがあったでしょうか。
彼女は、相手が傷つくかもしれないようなことは、言わないと思いますね。
まあ、この時点で、ポッポは自己紹介をしませんからね。
藍にしたのと同じように、恵理子にも、真白が紹介したのではないでしょうか。
恵理子ですからね、
「小鳩か、こりゃいいや、よろしくな、鳩ポッポ」くらいのことは言ったかもしれません。
で、試しに真白も「ポッポ」と口に出してみたら、意外にカワイイ響きだったと^^
僕の中で、恵理子が名付け親であるということは、かなりの確信なんです、スイマセン。


Q2.ポッポの担当官で、葛西の前は誰?

わからん、これは、わからんぞお。
前の担当がサジ投げちゃったんでしょうかね、「俺にはできねえ」って。
ポッポは、この時点で、かなり問題のある少年です。
その少年を、新任の教官に任せちゃおうっていうんだから、すごいですね。
あの保守的で事なかれ主義の(失礼)所長が許可しちゃうんだから、
悠さんって、教官の中でも「一目おかれた」存在だったんじゃないでしょうか。

> 最近の一連の少年事件のように、精神科医による精神鑑定などは、
> なかったのでしょうか?

リップには登場しませんでしたが、鑑別所には、法務教官の他に、
法務技官という人たちが勤務しています。
彼らは、心理学の専門教育を受けていて、面接や筆記試験などを通じて、
主に心理学の観点から、鑑別をサポートしています。
したがって、通常の「監護措置」では、精神科医が登場することは無いでしょう。
ただし、少年事件といえども、地方(簡易)裁判所に起訴されるような、
重大事件の場合は、検察官、あるいは、弁護士の要求に応じ、
裁判所の許可の元に、専門医による鑑定が行なわれることもあるでしょうが、
これは、家裁の審判後の話です。
(家裁の審判により、検察官送致決定がなされた場合は、
 検察官がその事件を地方、または簡易裁判所に起訴します。
 これより先は、ほぼ通常の刑事事件と同様に、公開の法廷で裁判が行なわれます。)

とまあ、一口に少年事件といっても、ものすごい複雑なんですの、まったくねえ。


Q3.安奈は、なぜポッポが登校拒否だと知っていた?(第4話より)

そういえば不思議ですね。
考えられるのは、孝生から聞いた、ですかね。
何も話さないポッポに困り果てた孝生が、安奈に逆取材した、ってのはどうでしょう。
部屋では、何か言ってないか、って。
その会話の中で、孝生の口から出たのではないか、こう推測してみます。


Q4.ポッポは黄色カーテンをどうやってカバの所から取って来た?

これに関しては、リップ語録、および、作文集の中に書きましたので、
よろしければ、読んでみてください。
(1) 無言で、カバの家に上がりこんで
(2) 無言で、カーテンを外して
(3) 無言で、持ち去る
「サイレントハンター・ポッポ 完」
カーテンを持ち去った意味、カバには、わかったよね?
新しい彼女にしてみれば「なんなのよ、いったい」でしょうけど・・・。


Q5.取った後に迷子にならなかった?

はい、大丈夫です、ハトには帰巣本能というものがあって・・・(以下自粛^^)


Q6.ポッポがいじめにあった小学校には購買がある?

私立小学校なら、そういうところもありますよ。
遠方から通ってくるため、朝、お弁当の準備が間に合わない児童のために、
パンなどを販売していたり、学食のある小学校というのも聞いたことあります。
ちなみに、ポッポの学校には給食がありますね、
あまり、いい思い出ではなさそうですが・・・。
僕自身は、中学校のとき、給食が自由選択制でした。(公立ですけど)
給食を申し込まなければ、お弁当でもOKだったんですよ。
ポッポの学校も、そんな感じかもしれませんね。

> 登校拒否が続くと退学になりませんか?「公立へ行け」とか

そうですね、当然、退学といったケースもあるでしょう。
その辺の事情は、描かれていませんし、
まして、私立小学校かどうかも分からない^^状態ですが、
もし、「退学すらできない」としたら、そんなつらい事があるでしょうか。

これは想像です、別に彼女を不幸にしたいわけではありませんが。

ポッポにまつわる、いくつかのキーワードを想像してみます。
「会社をいくつも経営している」「中流以上の裕福な家庭に多いらしい」
「ここを出たら、どこかあたたかい所に行こう」
「無理に学校なんか行かせなければよかったんだ」
「いやなことは、全部忘れてね」
そして、産み出される言葉たち。
「学校の評判」「寄付金」「家庭教師」「在宅での単位認定」「世間体」「経歴」
「公立への不安」「イジメられるのはかわいそう」「手元に置いておきたい」
「当学園には、イジメなどありません」「仕事があるから、あまり煩わされたくないんだ」
「親として、娘のために」
「学校として、児童のために」
そして、それらに、彼女自身の意思は存在しない。
学校に行きたくないから、登校拒否をする、そんな子供はいない。
誰だって、学校には行きたいんだ。
「心理学的に言うと、自分の意志や判断能力が欠如するの」
判断できないのではなく、判断させてもらえないだけだ。
彼女の知らないところで、勝手に調和点が成立し、
その不可解な大人たちのエゴのために、部屋から一歩も外に出られないでいる。
「親の限界がきたのね、ある日、むりやり学校へ」
またしても、彼女の意志はない、いや、あるにせよ、介在できない。
そして、事件は起こった・・・。

「ここは、君たちを裁く場所ではない、君たちが、自分を見つめなおす場所だ」
「私は、まだ家に帰っちゃいけないの」
児童自立支援施設、そのキーワードは、自立、そして、開放。
私は、娘を愛していたんだ、だから、なんとしても、守る必要があったんだ。
いつかその愛に、やさしく「ありがとう」が言える日が来る、
だから今は、もう少しだけ、時間をください。
それが、私の意志です。
それが、私の望みです。


Q7.真白のテーマ『Virginity』が流れた時、真白はメガネを外して行動しました。
   この表現の意図するものは、何だったんでしょうか?

11話かぁ・・・、つらいけど、でも、書かなきゃね。

真白のメガネは、どこか、藍の前髪に似ているんです。
(課題作文集も参照してください)
彼女にとって、メガネは潜在的に、Virginityの象徴であったのかもしれません。
どこか、心から安らげない何かを抱えていて、
泣きたくなるほどつらいのに、それでも、強くならないと、生きていけない。
自分には、守るべきものがあるから、メガネという仮面をつけて。
その奥にある、ちっぽけで臆病な自分を見透かされないように。

彼女がメガネを外すのは、集団室の中だけです。
みんなでお菓子を食べながら、恋の話だってしちゃう。
そんな、ごく普通の女の子に戻れる瞬間は、素顔のままの自分でいたい。
覚めない夢などないと知っている、だからせめて、もう少しだけ、夢を見ていよう。

そして、彼女のVirginityは、割れてしまった。

カーテンは、持っていこう。
メガネは、置いていこう。
そして、飛び立とう。
私の場所へ。

ごめん、やっぱりダメだ、真白だけは、いつも文章にならないんだよね・・・
と、いうわけで、精一杯です、すいません^^;;


Q8.脱走の際、恵理子が彼氏(カバ)のことをダーリンだと言うのに対し、
   真白は「だったら、恵理子はハニー?」と、からかってました。
   ダーリンに対するハニーって、何か元ネタがあるんですか?(第9話より)
   #キューティーハニーではないよね〜
    私だと、ダーリンに対し、「ラムちゃん」とか「サマンサ」になってしまう(^^;

どちらもアメリカ英語です。
夫婦、親子、恋人間で、親愛を込めて相手を呼ぶときに使います。
ちなみに、ダーリンは主に女性が、ハニーは、どちらでもいいそうです。
ちょっと演歌っぽいですが、日本語の、あなた、おまえ、みたいなものでしょうか^^
対で使うのが一般的で、ダーリンときたらハニーというのは、決まり文句です。
語源ですが、ダーリンは、
愛しい人Dearから転じたものと言われています。
一方、ハニーは「はちみつ」の意ですね。
昔、イギリスでは、結婚の祝宴で「はちみつ酒(mead)」を飲む習慣があり、
また新婚夫婦も、最初のひと月は、この酒を飲むのが決まりだとか。
ちなみに、そのひと月をHomeymoonといい、現在では新婚旅行を指しますね。
一ヶ月だから月(moon)というのとは別に、もう1つ意味があって、
満ちては欠け、また満ちる、移ろいやすい夫婦生活を暗示するもの、という話も・・・。
あ、それから、
「大阪物語」の小説版の冒頭に「蜜月の姉弟関係」という表現がありますが、
この蜜月こそが、Homeymoonのことですね。


Q9.恵理子の審判後の身受けは誰が来たの?
Q10.保護観察期間中でも藍のアパートに住める?

身元引受人ですが、やはり、両親だと思われます。
「勘当」というのも、あまり法的に根拠のあることではないですから。
恵理子が鑑別所にいる間に、調査官は、彼女の両親に接触しているはずです。
そこでは両親に対し、彼女を受け入れる用意があることにより、
彼女が保護観察処分になる可能性が高くなることなども、説明されたことでしょう。

さて、保護観察中の生活ですが、
審判で保護観察が決まった場合、少年と保護者は、担当の保護監察官と面接し、
そこで、いくつかの約束事を交します。具体的には、
1・一定の住居に居住し、正業に従事すること
2・善行を保持すること
3・犯罪性のある者または素行不良の者と交際しないこと
4・住居を転じ、または、長期の旅行をするときは、
  あらかじめ保護観察を行う者の許可をうけること
の、以上4項目、これを「遵守事項」といいます。
その他に、少年によっては、夜遊びをしない、タバコを吸わない、など、
個別の項目が追加されることもあります。
さて、その4項目のうち、藍のアパートに住むことに関係があるのは、1と4です。
結論から言えば、保護監察官の許可があれば、可能だということです。
ただ、ちょっと待ってください。
僕は、恵理子が藍のアパートに住んでいたとは考えていません。
むしろ、このアパートで暮らしていたのは、(または、通っていたのは)悠だと思います。
問題のシーンですが、
彼が、アパートのカギが開いていることに気付いたとき、
藍が戻ってきたことを期待して、顔がほころんでしまったと考えます。
藍は、悠がアパートでシュウの世話をしながら、
ずっと帰りを待っていてくれることを、確信していたのではないでしょうか。
藍が恵理子に出した指示は、先生に手紙を渡すことと、シュウを引き取ること。
そして藍は、そのアパートに2人がいることも、伝えていたでしょう。
どうでしょう、このほうが、つじつまが合うと思いませんか?

> 恵理子はこの手紙を渡しに藍のアパートに来たのでしたね(*^-^*)


Q11.安奈のアイデンティティーは取り戻せたのでしょうか?

おそらく、取り戻すのに充分なきっかけを得ることはできたでしょう。
課題作文の方に「周りの声は、きっかけを与えることしかできない」と書きましたが、
出所時の彼女は、心の空白を埋めていた紘毅が、孝生に置き換わったにすぎません。
その空白に、改めて自分を取り戻していくことが、当面の彼女の課題です。
それは、肉体的にも、精神的にも、とてもつらいことになるでしょう。
思い出すのはつらいけど、自分の過去は、
しっかり自分のものとして理解しなければなりません。
それは、とても時間のかかることですが、自分で成し遂げなくてはなりません。
それが最終話、孝生が安奈に伝えた、最後のアドバイスです。

愛しい人、きみのために、僕は、きみを突き放そう。
愛しい人、きみのために、僕は、力いっぱい声援をおくろう。

そして、自分を取り戻したとき、彼女は、初めて気付くのでしょう。
紘毅の愛に。孝生の愛に。自分の愛に。

ところで、課題作文集の最後、
安奈は、なんとグラビアモデルになる(!)という展開を見せます。
おいおい、という意見もありましたが、これにはちゃんと意味を持たせています。
潜在的に、かもしれませんが、彼女は見せたかったんです。
今、どこにいるかもわからない、逃亡中のあの人に、
もう、会うことは許されない、塀の向こうのあの人に。
「私は、元気だぞ!」ってね。
それは初めて、彼女が彼らの愛に、自らの意志で、応えたことになります。
そしてその時、彼女は完全に、自分を取り戻すことができたのでしょう。


Q12.下記は成り立ちますか?
    紘毅=もう一人の自分=藍
    安奈=愛を受けとめきれなかった=吉岡
    安奈も死に行くとき思い出すのは紘毅?

確かに、藍と紘毅は似ているのかもしれません。
しかし反対に、篤と安奈は、全く逆のようにも思われます。
篤は、愛し方も、愛され方も、知らなかったんです。
愛する人が、どんどん心の中に入ってくる、その感覚を恐れ、彼は逃げ出してしまった。
安奈は、愛し方も、愛され方も、全て紘毅から教えてもらったんです。
愛する人が、どんどん心の中に入ってくる、その感覚に溺れ、彼女は洗脳されてしまった。

> 安奈も死に行くとき思い出すのは鉱毅?

それはわかりません。
彼女が本当の人を見つける旅は、これから始まるのですから。


Q13.藍の弟の「シュウ」はど〜ゆ〜字書くの?

シュウがどんな字を書くのかはわかりません。設定されていないかも。
まず考えられるのは、それが愛称だったかもしれないということ。
つまり、「シュウ〜」という名前だったかもしれないということですね。
それから、もう1つ、
藍は「藍色」なのに対して、シュウは「朱色」だったかもしれないということ。
まあ、藍っていうのも、ちょっと変わった名前ですからね。

> 有明と南雲や吉岡の会話でも「シュウ」だったと記憶しています。。。愛称ではないのでは、
> 私が思うに、現在・未来の、I(藍) LOVE YOU(悠)に対し、
> 過去の哀(藍)愁(シュウ)ではないかと(^^;


Q14.藍はなぜ友達(だと思ってた)の彼氏まで暴行したの?
    しかも、先にやってる。

あれだけの事件を起こしているんですから、
その時、藍が冷静でなかったことは、確かだと思います。
そうですねえ、自分を裏切って得た、彼女の幸福、
それを全て破壊したかった、ということではないでしょうか。


Q15.リンゴが描かれたリップスティックの色は藍に似合う?

あー、いや、あまりおすすめはできませんが^^;
それこそ、●生堂になっちゃいますので(笑)


Q16.第2話、冒頭のナレーションで
    「小さな君の隠れ家には、ただ無防備な安らぎと、むきだしの淋しさが置いてある。
     とても、とてもシンプルに。
     きっと信じているのは、ひとつだけ
    と、言ってますが、赤字部の意味は?

これはそのまま、第2話の最後のナレーションにつながります。
「にせものじゃないって、祈りながら」
そして、「信じる」「祈る」この2つのキーワードを、
第8話で、藍自身が、否定することになるんですね。

> 「きっと信じているのは、ひとつだけ」で
> "何"を「にせものじゃないって、祈りながら」信じているのでしょうか、
> 有明は、藍の部屋で"何を信じている"と感じたのでしょうか?

さあ、いよいよ、リップの核心に迫ってきましたね。
一言で言ってしまえば、信じているものは「自分」
求めているものは「自分になりうる、自分以外の何か」ということでしょうか。
自分以外が信用できない、ということではなくて、
裏切られることを、極度に恐れているような感じでしょう。

何かを信じる、何かを祈る、
でもそれは、そうでないことが存在することを認めているからこそ、
おこりうる感情なんです。
それに対して第8話、視聴覚室で、藍は1つの答えを言葉にします。
「疑わない」
(これに関しては、広末自身も、ラジオの中で語っています。
 ウラ話6月スペシャルも参照してください。)
「美しい人」の感想集の中に、野島ドラマの「転」について書きましたが、
僕は、リップの「転」はこの部分だと思っています。
長い間、藍が模索してきたもの、それが、はっきりと言葉になったとき、
今度は、その言葉を「形」にしていく、もう1つの模索が始まるわけです。
藍に少し遅れて、悠も同じことを言葉にします。
第9話、アパートの前ですね。
そして2人は、最終話、その答えを見つけ出します。

人間が、決して疑うことの無い、ただ1つのもの、それは「自分」
だから、わたしが、あなたであればいい。
だから、あなたが、わたしであればいい。

「わたしが、会いに来ると思った?」
「それでも、生きているって思った?」
「どうして、そう思ったの?」
――― 僕はいつまでも、君を想って生きていたい。
――― 君はいつまでも、僕を想って生きていたい。
――― だから、君は、生きているんだ。なぜなら ―――
「僕も、生きているから」

リップって、つくづくとんでもないドラマです、いや、ホントに・・・

Q16−2.「自分」を「にせものじゃないって、祈りながら」信じており
      有明は、藍の部屋で"自分を信じている"と感じたのですか???

どちらかと言えば、逆のような気がします。
自分以外には、心から信じられるものがない、といった感じでしょうか。
そして、彼女の求める「信頼」には、2つの方向性があります。
すなわち、「愛」と「友情」ですね。
第11話「自分が愛するものは砕けて散る、赤いリンゴは、そのときの強烈なイメージ」
第2話「友だちだと思ってたのに!許せなかった・・・」
リップは、藍がこの2つを見つけるまでの、長い長い1ヶ月の話。
前者は、Q16の回答でいっぱい書いたので、今回は「友情」方面へ。

第3話・真白「いつか、私のこと、友だちだと思ったら話して」
すがるように口を開く藍に、真白は教えています、あせってはいけない、と。
そういえばこの時点で、真白も、全てを話したわけではありません。
ハンドボール、キャラメルなど、いくつかのプロセスを経ながら、
やがて重要な転機が訪れます。
第7話・藍「あたしは真白と友だちになりたい」
相手を友だちだと思うスピードには、個人差があり、自覚するきっかけも人それぞれ、
そしてそれは、いつのまにか、自分の中に芽生えている感情なのでしょう。
藍に促されたとき、真白が本当のことを話すための障害は、悠の存在だけでした。
病院から戻った真白を待っていた、4人の友だち。
彼女からこぼれた、ごめんね、の意味。
第6話、小泉がこんなことを言っています。
「本物は自ら売り込んでこない」
もちろんこれは、持ち込みの芸術家のことを言った言葉なのですが、
それとは別の意味で、かなり重要なキーワードなのかもしれません。
上記の「いつか、私のこと・・・」も、これに近い感覚でしょうか。
第7話・悠「今度は君が話す番だよ」
ダメだよ、私たちは、もっと近づかなくちゃ。
自分が話し出すのを待てずに、直接的に要求してきた悠に、
藍は、どこかニセモノを感じてしまったのでしょうか。
話すことは、失うこと、繰り返される絶望にまた気付くことなく、
口を開こうとしていた自分を嘲るように、彼女は笑い出してしまいます。

そしてもし、そうであるならば、
愛と友情とは、本質的には、何ら異なるものではないのでしょう。
作文集にも書きましたが、いずれの感情も、究極的には同一の点に収束する、
それを試しに「フレンズ」と呼んでみることにしますが。

「残り少ない君との時間に、僕は何もかもを伝えよう。
 人はみな生きていくうえで、ときにはウソも必要だと言う。
 知らなくていいことは、伝えるべきでもないと。
 だけど、ぼくたちに、もはやウソや隠しごとなど無意味なんだ。
 ふたりは、二度と会うことはないから。」

君のことを、全部話してよ。
そうしたら僕は、君になれるから。

真白は第11話、面会後、様子がおかしいことを気にかける藍に、
「ううん、べつに」と、またちょっと、隠してしまいます。
彼女の2度目の「ごめんね」は、少年院の中でした。

メニューに戻る