「Sweet Lovesongs on LIPSTICK」  〜 Chapter1 真白編 〜

   27 マジックスープ(3)

「ねえマシロ、俺にも何か作れるものないかなあ」
「トモにも作れるもの?そうねえ・・・」
「俺さ、あまり料理とかってしたこと無いけど、でも、何か俺でも作れるもの、そしたら、マシロにも、リカにも、食べてもらいたいしさ」
「うん、そうだね、じゃあ、何か任せちゃおうかな。大丈夫よ、教えてあげるから」
「よし、じゃあねえ・・・」
「トモ、サラダとか作ってみたら? あれならホラ、歌いながら作れるでしょ?」
「サラダかあ、うん、いいね。よし、じゃあサラダは俺の担当ね」

Insert song
「あなたにサラダ」
Words and Music:Miwa Yoshida
Dreams Come True/1991

夕方もう6時を回り 閉店まであと30分足らず
デパートは夕飯の買い物の おばさま達でごった返す
私もその波に紛れて 食料品売り場までやってきたの
サラダの大好きなあの人に とびきりのやつ作ってあげるの

レタスはなるべく青くて 柔らかそうなのを選んで
トマトは形の揃った 3つ入りのパックをひとつ買うわ

「なるべく青くてってのはいいけど、柔らかそうってのは難しいなあ」
「そうねえ、あのね、押して柔らかければいいってものじゃないのね、こういうのって」
「そうなの?」
「うん、そういうレタスはね、しっかり丸まってなくて、中がスカスカなの」
「じゃあ・・・」
「えっとね、こういうときは、重たいレタスを選ぶといいの。大きいのが重たいのはあたりまえなんだけど、そうじゃなくて、ちっちゃくてもいいから、見た目以上に重たいやつをね」
「それも難しいなあ。重たいの、重たいの・・・これなんかどうかな?」
「うん、いいね、これにしようか」
「やった!」
「こういうレタスはね、芯もしっかり詰まってるし、水気もたっぷり含んでるから、シャキシャキしておいしいのよ」
「よし、じゃあ次はトマト!」
「トモ、トマトの選び方は?」
「えっとね、形の揃った、3つ入りのパックだって」
「3つパックは関係ないけどね、でもねえ、ドリカムには悪いけど、トマトの選び方は、ちょっと違うんだな」
「形が揃ってちゃいけないのか?」
「ううん、そうじゃなくて、違うのは3つ入りのパックの方。あのね、トマトのパックって、おしりの尖った方が上になってるでしょ」
「うん」
「でもね、トマトを見分けるには、こっち、ヘタの方を見なくちゃいけないのよ。だからトマトは、できればバラ売りで買うの。ヘタがピンと元気なのは、収穫されてから日が浅い、つまり熟してから収穫された証拠ね、もちろん重たいのが美味しいのはレタスと一緒」
「はあ、奥が深い・・・」
「どう?すごいでしょ」
「うん、さすが主婦歴・・・」
「それ以上言ったら置いて帰るからね」


キャベツは細く細くきざんで お水をしっかりきらなきゃ
リンゴがウサギに変身 1っこは食べて7つ飾るわ

「マシロ、キャベツは細く細くきざむってさ」
「レタスとキャベツは、一緒には入れないなあ」
「?」
「うん、レタスのサラダはグリーンサラダ、キャベツのサラダはコールスローサラダって言うんだけど、食感が全然違うから、一緒にするとおかしくなっちゃう」
「そうなのかあ、じゃあ、今回はどっちでいくの?」
「そうね、トマトが入るから、グリーンサラダでいいんじゃない? レタスもせっかくトモが選んだんだしね」
「よし、じゃあ、キャベツは無し、次はリンゴ!」
「トモ、リンゴはウサギに変身だよ」
「うん・・・って、何それ?」
「皮のむき方でね、ウサギみたいにかわいく飾れるの。トモ知らない? じゃあ、帰ったら教えてあげるね」
「俺にもできる?」
「もっちろん、簡単簡単!」


Tomato,Apple,Green pepper
Lettuce,Water cress,Tuna
Bean and Onion,With Mayonnaise,Please?

「さて、今のところ、レタス、トマト、リンゴは決まりね、あとは何入れる?」
「俺ね、英語は得意なの、まかしといて」
「へえ、意外」
「えっとね、トマト、リンゴ、ピーマン・・・ピーマン!俺、ピーマンダメ、絶対ダメ!」
「はいはいっ」
「それから、レタス、ウォータークレスって、何? ツナはツナ缶だけど」
「うん、ウォータークレスってね、クレソンのこと、トモ知ってる?」
「ううん、知らない」
「ちょっと辛いんだけどね、結構美味しいのよ。うん、グリーンサラダには合うなあ、入れてみる?」
「うん!」
「それで、ビーンは豆、オニオンは玉ねぎ」
「はい、よくできました!」
「マシロ、このビーンって、何の豆だ?」
「う〜ん、サラダに入れる豆でしょ、クコの実とか、松の実とか・・・あとね、茹でた枝豆とか、レーズンなんかもあるかな」
「何だか知らない実ばっかり・・・」
「レーズンなら知ってるでしょ、よし、レーズンも入れよ」
「結構入ったね」
「そうね、もうこのくらいでいいかな、じゃあ玉ねぎはパス」
「あとはマヨネーズ?」
「この歌には、マヨネーズとドレッシングが両方出てくるのよね。でも、トマト、リンゴじゃあドレッシングかな」
「ドレッシングは愛を注いでシェイクだってさ」
「うん、しっかりシェイクすると美味しくなるのよ、しっかり頼むわよ」
「よし、じゃあ作り方教えてくれ」
「フレンチドレッシングなら、サラダ油とお酢が3:1ね、リカのウチには・・・」
「ないぞ」「たぶんね・・・」
「もう!ほんっとに何にもないんだから!」
「まあまあ、そう言うなって。マシロの方の買い物もあるんだろ?」
「あ、そうだ、忘れてた」
「おいおい、頼みますよ、先生」
「あい!」

   つづく
前へ インデックスへ戻る 次へ