「Sweet Lovesongs on LIPSTICK」  〜 Chapter1 真白編 〜

   28 マジックスープ(4)

さて、買い忘れはないかな、カゴの中を見てみよう。
サラダの材料で、レタス、トマト、リンゴ、クレソン、レーズン、サラダ油と、お酢。
それから、私のほうの材料ね。まずお米でしょ、それから、お味噌汁用に、お豆腐とワカメ、ネギ、ダシ入り味噌もちゃんと買ったから大丈夫。焼き魚は鮭の切り身を3枚。
「トモ、他に何か食べたいものある?」
「うーん、これだけあれば充分じゃないかな」
「よし、じゃあ、もうひと回りしてくるね、何か安いものがあるかもしれないし」
「あ、うん、なるほど」
「本当はね、お店の入り口に張ってあるチラシを見れば一番早いんだけど」
「そうなのか?じゃあ、俺ちょっと見てくるね」
「あ、トモ、ゆっくりでいいよ、走っちゃダメ!」
「はいよ!」
といいながらも結局走ってるトモの背中が、楽しげに小さくなっていく。
ホント子供みたい。傍から見れば、変な2人だよね。
子供と買い物に来るって、こんな感じなのかな。私は小さい頃から一人で商店街に行ってたから、お母さんとスーパーに行ったなんてことは、あまり覚えがないけど。
見渡してみると、この時間は親子連れが結構たくさんいる。笑ってる子も、走ってる子も、甘えてる子も、泣いてる子も、でも、みんなとても嬉しそう。
お母さんと一緒にいられるだけで嬉しいんだもんね。スーパーって、すごく幸せいっぱいの場所。
私も将来子供ができたら・・・
・・・それは、今は考えないことにしておこう。
ほら、向こうから少し大きい子供がとびきり嬉しそうに帰ってきた。
おいで、トモ、My Dear・・・
「マシロ、今日の特価品はタマゴ!本日限り98円だって」
「あ、それは安い。うん、じゃあ、サラダにゆで卵も入れようか」
「よし、じゃあ、俺買ってくる」
「落とさないでね」「OK!」
もお、言ってるそばから走るんだから。しかもトモが行っちゃってからで悪いんだけど、タマゴなら、私の目の前で売ってるんだよね、ゴメン、今気がついた。
確かに98円、これがLサイズで、Mサイズは、おお88円。
おーい、タマゴはここだよ、早く帰ってこーい。
お、トモが店員さんと歩いてくる。さては訊いたな、えらいえらい。
「こちらでございます」
「ありがとうございます」「ありがとうございます」
「マシロー、お前知っててやってるだろ」
「そんなことないって、私だって今気がついたんだから」
「ん、じゃあ、タマゴ買うからな。あれ?88円?」
「あ、うん、Lサイズが98円で、Mサイズが88円みた<いね」 「じゃあ、Mサイズの方が安くていいな」
「そう思う?」
「だってさ、こんなタマゴの大きさなんて、ちょっとしか変わらないぞ。だったら安い方がよくないか?」
「そうね、でも待って、今日はゆで卵を作るんでしょ?」
「うん」
「10円しか違わないんだから、タマゴ1個あたり1円の違いよね。それだったら、大きいゆで卵が食べたいと思わない?」
「うーん」
「ね、買い物ってたのしいね。頭も体もめいっぱい使わなくちゃね」
「参りました・・・」
よし、買い物終了!レジを抜けて、トモ、会計よろしくね♪
結局、トモの宝くじの謎は解決してないんだっけ。支払いの時にお財布を覗き込んだら・・・ゲッ、確かにお金がぎっしり入ってる。鉄砲で撃たれても貫通しそうにないぞ、これは中学生の財布じゃないよ。
結局、商品は大袋に2ついっぱい。かなり重い。お米とか入ってるからね。
「さ、早く帰ろっか、リカが待ってるしね」
「うん」
大きい方の袋は、トモが持ってくれた。さすが男の子、頼もしいな。
手をつないで歩きながら、もう一度今日のメニューを復唱。ご飯と、お味噌汁と、焼き鮭と、トモが作ってくれるサラダね。
なんかすごく、早く帰りたくなってきた。でも、トモも同じだったみたい。
私が遅くなればトモが、トモが遅くなれば私が手を引っ張りながら、早足で歩いてゆく。
この先、どんな苦難が待ち受けているとも知らずに・・・

   つづく
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